政策理念 ~しおの目線~

そもそも現代は、真夏日の連続記録の更新や度重なる集中豪雨や強い熱帯低気圧の発生など、日本列島はもちろんのこと、世界的に見ても異常な気象状況が続いています。これらは、地球温暖化が原因だと考えられています。すなわち、地球的規模で起こりつつある環境の大きな変化は地球温暖化という現象に集約されるということであります。そしてその原因は、大気中にある二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの濃度が異常なペースで高くなっているためです。大気中の二酸化炭素の濃度が高くなってきたのは、もっぱら産業革命以降の私たち人間の営みによる、石油や石炭などの化石燃料の大量消費と、森林、特に伐採などによる熱帯雨林の消滅が原因だそうです。
地球が経験した最後の氷河期が終わってから一万年の間に平均地表気温はたかだか1度しか上昇していません。しかし、このままのペースでいくと21世紀の終わりには、平均地表気温は4度から5度上昇するとも言われています。
そして次のようなことが起こります。
海水が温かくなり、氷河が融け、海面が上昇し、森林火災が頻発し、異常干ばつが長引き、湖が縮小し、渓流が枯れ、降水量が増え、春が早く訪れ、真夏日が長引き、冬の寒さが穏やかになり、珊瑚礁が白化し、海岸線の侵食が進み、海に沈んでしまう国も出てきます。
現実に、大田区に住んでいる私たちが最も地球温暖化を実感させられるのはおそらく夏の暑さでしょう。この暑すぎる気温、そして大きな被害をもたらす台風などは、地球温暖化の影響が大きいと言われているからです。
特に大都市東京の一部であるがゆえ、大田区でも人工排熱や太陽熱の溜まり場となってしまうヒートアイランド現象は顕著であり、暑さ対策、及び気温上昇がさらなる冷房需要をもたらすという悪循環への対策を思わないではいられません。
しかし、都市部でのどんなに暑い夏でも吹いてくるさわやかな風に頬を撫でられ気持ちがいいと感じたことの無い人はおそらくいないでしょう。私はいつからかこのさわやかな風がこの大田区でもっともっと吹き抜けていくことはできないかと思うようになっていました。
そこで出会ったのが 「風の道」 という考え方であります。 「風の道」 とは河川や緑の回廊など、建物に遮られることなく風が冷たいまま吹きぬける通り道のことであります。
国土交通省の研究プロジェクトによると、都市部のヒートアイランド現象の緩和に「風の道」が効果を持つことが明らかになったそうであります。東京の臨海部で風の強さや向き、気温などを観測した結果、東京湾からの海風の流れが都市の気温分布に影響を与えていることがわかったのです。東京湾から吹き込む海風は河川や道路に沿うように向きを変えて流れていることが確認され、海岸部の気温は市街地に比べて最大で4度低くなっていることがわかりました。よって、「風の道」をうまく確保して海岸からの風を取り込めば、都市部の気温を下げる効果を期待できるものであります。
そもそも、海風とは、沿岸地域において発達する局地での空気の流れのことであり、特に夏季の昼間に日射が強くなると陸地で空気が強く暖められ上昇すると同時に、その上昇した空気を埋めるようにして海にある空気が陸へと侵入していくものであります。よって日射が強く暑くなるときほど海風の影響が大きくなり冷涼な空気が都市に入り込む可能性が高くなるのです。
そしてそれは風向きが東西南北どちらに向かっていようとも冷涼な空気が大田区に入って来る可能性を示唆しています。
また、緑は光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を供給します。そのとき同時に、気化熱によって周囲の温度がいくらか下がるのであります。地球温暖化対策というと二酸化炭素の削減ばかりに目がいってしまいますが、緑があればただそれだけで、地球温暖化対策・ヒートアイランド対策となるばかりではなく、緑は人の心を癒し、こどもたちを育てます。そして風が吹けば尚一層、地球温暖化対策・ヒートアイランド対策として一定の効果があるということを私たちは見過ごしてはならないと思います。
私たちも大田区からできることをやろうではありませんか。
そこで、私は、次のような政策を推進し、もって地球温暖化にストップをかけてまいりたいと考えています。
1 「*海の森」を築き、 *海藻等による豊かな海のこと
2 臨海部に「*水の都」をつくり *豊かな水辺空間を活かしたまちのこと
3 海風を呼び込み、
4 緑の回廊をめぐらせ、
5 「風の道」を開きます。
「海の森」で発生した涼しい海風は陸地へと呼び込まれます、「水の都」の水と緑は海風の冷気を維持します。そしていよいよ内陸に向かって緑の回廊をめぐらし、「風の道」を開くのです。大田区に緑の扇風機をつくるのです。
では、一体どこに緑の回廊をめぐらせたらよいのでしょうか。
まず、呑川です。この川は蛇行していますが、海から内陸へと大田区を一応東西に横切っています。大森南及び東糀谷から始まり蒲田を抜け池上本門寺をかすめ調布地区へと遡って行きます。内川も大森地域を横断しています。ここに緑の回廊をめぐらせば、とても大きな効果を生み出すものと考えます。
「海の森」から始まって「水の都」を経た、「風の物語」はここで大田区民に大きな幸せをもたらすことになるのです。
そもそも大田区には理想とすべき「風の道」がすでに2本もあります。多摩川と旧呑川緑地です。ここに来れば涼しく感じられ、既に「風の道」が通っていると思われます。
特に多摩川には豊かな水辺空間があり、緑もあります。多摩川こそ「風の道」そのものであり、都市を冷やす中心的役割を果たすでしょう。しかし、せっかくの多摩川も、その川原の緑はちぐはぐです。多摩川に緑の回廊をめぐらせ、駅伝のように、緑という「たすき」を次の世田谷区へ何としてもつなげてまいりたいと思います。
国は「地球温暖化対策の推進に関する法律」を制定しています。東京都には「東京における自然の保護と回復に関する条例」があり、「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」や「緑の東京計画」といった力強い政策があります。では大田区には地球温暖化対策や緑化推進を制定趣旨とする条例はあるのでしょうか?一応「大田区みどりの保護と育成に関する条例」がありますが、とても緑化推進の趣旨は読み取れません。その点、例えば板橋区には「東京都板橋区緑化の推進に関する条例」があり、一歩踏み込んだ内容になっています。「水と緑のネットワーク」を標榜してきた大田区に、チームマイナス6%に参加する大田区になぜ環境条例や緑化を強力に推し進める条例すらないのでしょうか?強い条例がなければ「緑の回廊」を実現しようという勢いは増していきません。
そこで、私は議員立法も含めて、条例をつくるよう努力します。
そもそも、地球に存在する資源には制約があるところから、私たちは天然資源の消費を抑制し環境への負荷を低減する「循環型社会」を構築して行かなければならないものであります。そしてそれは地球温暖化対策へと結びついて行くものでもあります。
すなわち私たちは一丸となって、「リデュース 発生抑制」「リユース 再使用」「リサイクル 再生利用」の3Rを推進して行かなければならないのであります。
そういうことで、私たちの暮らしにはある程度、3Rは定着し、浸透していると考えることはできるでしょう。しかし、まだまだ大量生産・大量消費がなくなったわけではありません。
そこで、大田区として更なる循環型社会を推進するため、ここにいくつかの提言をいたします。
区民税を引き下げることと引き換えに、一般廃棄物を有料化することをあえて速やかに調査・検討するよう努力します。
地球温暖化問題をはじめとする環境問題において「発生抑制」の演じる役割は大きいものがあると思われます。まずは発生抑制その次に再使用です。温室効果ガスの排出削減を目指すなか、この取り組みを国や産業界だけではなく、国民一人一人の取り組みとすることが大切です。そのためには国民一人一人の意識・ライフスタイルの改革を欠かすことはできません。その点、一般廃棄物すなわち家庭ゴミ処理の有料化には大きな社会的意義を見出すことができると思います。
ゴミ処理に対して区民に経済的負担を課すことによって、発生抑制・減量のインセンティブを与えることができます。また、ゴミの排出量に応じて負担を課す方が公平であり、公平性の確保のためにもゴミの発生抑制・減量の努力をした者はその努力に応じて負担の軽減がなされるべきであるかもしれません。ゴミ処理の有料化をきっかけに区民の意識改革を図ることもできます。
但し、リバウンドの事例も多く、また大田区のような大きな自治体にはなじまないかもしれませんし、徴収方法など様々な懸念があるのも見過ごせません。
まずは、未来を見据えて調査・検討していきたいと思いますが、いかがでしょうか?
発生抑制・再使用・再生利用を一言で表す言葉が日本にだけあるそうです。それは「もったいない」です。ケニアのノーベル平和賞受賞者「ワンガリ・マータイ」さんがもったいない運動をすすめて話題にもなりました。また、かつて江戸のまちは非常に進んだ循環型社会だったと聞きます。私たち日本人は世界でも最も古くから循環型社会に取り組んできた民族なのかもしれません。
この「もったいない」の精神は何としても次の世代につないで行かなければなりません。昔なら、おばあちゃんが孫に教えたのかもしれませんが、今は誰が「もったいない」を教えるのでしょうか?地球温暖化の問題も緑化の推進も誰かがこどもたちに教えなければなりません。
そこで、親はもちろんですが、学校でこういったことを教える必要があると思います。食事を残さず食べること、えんぴつを最後まで使い切ること、古着にも出せない衣服は雑巾にすること、残飯を花壇の肥料にすること、モノを大切にすることなどをみんなで改めて勉強し直した上で、学校の壁面緑化も、海をきれいにするのも、木を植えるのも、授業で丁寧にやればよいかと思います。
「気候変動に関する政府間パネル」によると高度経済成長が続く中で化石燃料を重視した社会では、21世紀末の平均気温上昇は約4度と予測していますが、一方、経済、社会、環境の持続可能性のための世界的な対策に重点が置かれ、地域間格差が縮小した社会では、約1.8度としています。例えば一人が一本の木を植えましょう。そして、私たちみんなの、一人一人の努力で地球温暖化にストップをかけようではありませんか。
以上様々な提言をさせていただきましたが、結果として、健全で恵み豊かな環境が地球規模から身近な地域までにわたって保全されるとともに、それらを通じて区民一人一人が幸せを実感できる生活を享受でき、将来世代にも継承することができる大田区となるよう精一杯がんばります。
平成19年大田区議会第3回定例会塩野目正樹代表質問(
再生56分)をぜひとも参照してください。(再生56分の部分をクリックしていただくと、平成19年9月13日大田区議会第3回定例会、議会中継の塩野目正樹代表質問へ繋がります。)
